トヨタの改善
今日は、大学のほうが朝9時から停電があるということだったので、早めに起きてチェックしていました。夏に停電があったときには新しい建物ということもあり、非常用電源がうまく作動しなかったのですが、今回は施設の方や電力会社、建設会社のほうが休みにもかかわらず詰めていただいていたので何事もなくうまくいきました。夕方、停電が終わるまでは家で掃除したりテレビ見たり仕事も少ししておりました。
朝のサンデープロジェクトと夜のNHKスペシャルで偶然にもトヨタのことがやっておりました。今や、売り上げが20兆円超え、経常利益も2兆円ということで、更には年間の自動車生産でもGMを来年には抜く勢いです。サンデープロジェクトではそのトヨタがなぜ強いのかというのを、一方、NHKスペシャルでは、世界に進出していく中でのトヨタの苦悩についてやっておりました。今や「改善」という言葉が世界の標準語になっているように、日々の改善によってトヨタは成長しているとのこと。月に5万件くらいの改善案が出されるくらいで、あくまでも従業員自身のアイデアを摘み取ってそれを生かしていくということのようです。それによって、社員は上からやらされているのではない感覚が出てくるようです。生産ラインは自動化なわけですが、その自動化は、実際には人を介した自動化ということで「自働化」(働はにんべんがついている)であるということを強調していたのは印象に残りました。
そういうトヨタは、今や海外で51箇所の工場を持っており、そこでは、今まで製造業に関わったことのない地域の労働者を雇い教育しているようです。そのためには、日本の技術者も派遣しなければならない一方で、その国々でリーダーを育てていかなければならない苦悩があるようです。また、リコールも多く出ており、そのあたり海外に拡大したつけが今のところでているようです。しかし、トヨタの真髄である改善によっておそらくそれも克服していきそうな感じがしました。リストラもしたことがないということで、物づくりには人が大切だということも強調していました。
それにしてもアメリカで最も人気のあるピックアップトラックの生産にも手をつけたということです。これまでは、フォードやGMが年間250万台くらい売っているところに足を踏み入れたわけで、当然、反トヨタ感情が増すと考えられますが、そこもしっかりと考えているようです。その車を作る工場のテキサスでは、地元の有力者に下請けを任せたりと、できるだけ軋轢をなくすような戦略をたてているようです。恐るべきトヨタです。どこまで成長していくのでしょうか。逆にトヨタがダメになっていくことがあるのか、そうなったときの日本の経済はどうなるのか。ちょっと怖い気がします。
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コメント
松原先生 おはようございます。
昨日はテレビ殆ど見ていませんでしたので、そのどちらの番組も見ていません(^^;)
日本の企業で国際的に競争力があるのは電気と自動車。全然ダメなのは農業と建築と金融とか…政府が保護している業種はダメなんですよね。トヨタはさすがですね。リストラと言う名の首切り作業もしたことがないのですね。それだけヒトを大切にしているんですね。それが社員のモチベーションを上げてどんな困難も乗り越える力になっているのでしょうね。それに日本的心配りも忘れていない。いい伝統がトヨタにはありますね。日本の保護主義で歪んだ業界も見習ってほしいですね。そういう業界ほど、政治家べったりで、補助金だよりが当たり前になっているのでしょうね。勿論、保護しなくてはならない業界(食料安保の農業)とかもありますが、過保護はいい結果を生みませんね。自助努力が基本ですね。
投稿: 阿頼王 | 2006年11月27日 (月) 07時10分
阿頼王さん おはようございます。
そうですね。確かに政府が保護している農業や建築とかは、ひずんだ業界になり政治家との癒着の温床にもなっていますよね。トヨタにしろ世界に展開している企業は、保護主義で守られていたのでは、真の競争はできませんから、大変な一方で、競争に勝ったときは莫大な利益があげれるということなのでしょうね。
投稿: Mamoru Matsubara | 2006年11月27日 (月) 10時02分