企業のオリジナルティー
今日も寒い一日でした。そんな中、大学のほうでは、「TANBAサイエンスカフェ」と名づけた産学連携の催し物がありました。基調講演では、サントリーの田中隆治先生(うちのバイオ環境学部の客員教授でもある)が、 「青いバラ それは不可能への挑戦」ということで、あの有名なサントリーが開発した青いバラの話などをしていただきました。サントリーは、創業以来、赤玉ワイン、ウイスキー、ビール、ウーロン茶など様々なものを開発してきたということで、その共通のキーワードはポリフェノールです。そのポリフェノール類は、花の色も決めている成分ということで、サントリーでは、花の色素に関係する特許をすべてもっているとのこと。青いバラも青い色素に変換する酵素の遺伝子を導入して作ったわけで、実際に色素の成分分析をしてみると青い色素しかないということ。実際の色は、青でなく実は紫に見えるのですが、科学的には青いバラであるということを主張していました。環境モニタリングフラワーという、例えばダイオキシンなど環境化学物質が存在すると花の色が変わってモニターできるというようなものも開発しているということで、サントリーの花のビジネスは広がっているようでした。ポリフェノールというサントリーのコアを中心にビジネスを展開しているということで、一つの企業の姿を教えていただいた感じです。そういう意味では、味の素は、アミノ酸というコアで成長しつづけているわけですし、多くの有名企業ではそういったコアになるオリジナルなものがあるわけです。逆にそういう企業のオリジナリティのものがないところは生き残っていくのは難しいことなのでしょう。これは、大学でも言えるわけだし、個人にも言える事で、オリジナルなものを持って入れば、可能性はいくらでも広がるということでしょう。実際には、なかなかそういものを持てないのが現状なのですが。
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コメント
松原先生 おはようございます。
昔は欧米の後を追って、真似ていれば良かったですが、近年は欧米に並んだ分野や、中には先頭を走らなければならない分野が出てきて、“オリジナリティー”が連呼されていますよね。
わたしは“美術”やってたんですが、その時指導の先生から「オリジナリティーは模倣から始まり、それを破ることで産まれる」みたいな事を言われた記憶があります。これはどの分野でも真理だと思っています。オリジナリティーは何も無いところから産まれてくる訳ではないですよね。先人の後を懸命に追い、模倣し、そして一番大切なのが、それを自分の力で“破る”ことですよね。ここに“産みの苦しみ”がありますが、歴史に名を残すような偉人たちはこういう道を経て来ていると思います。さて、日本でそういう人材が育って来るか楽しみではあります。
投稿: 阿頼王 | 2006年11月 9日 (木) 07時27分
阿頼王さん おはようございます。
確かに、何も無いところから、オリジナリティーは生まれなく、それなりの歴史、蓄積があって生まれてくるのだと思います。オリジナリティーが育つような教育が大切になってくるのでしょうね。
投稿: Mamoru Matsubara | 2006年11月 9日 (木) 09時38分