バイオビジネススクール。ナレッジベースで勝負
昨日は、大阪でバイオビジネススクールの第5期の修了式と卒業生交流会があったので参加してきました(私は3期生)。5期生の勉強の成果として、ある企業のビジネスモデルを発表するというもので、皆さんがんばってそのプランをアピールしておりました。優勝したチームのものはなかなか練られたプランで、このままでも実現できそうなものでした。
実際に今回のスクールでビジネスモデル作成の対象となったバイオベンチャーは、かなりいいビジネスモデルで立ち上がり、初年度から黒字ということで、バイオベンチャーとしてはとても幸先のいいスタートをきっています。そこの社長さんはまだ30代で、大学の助手から転進して起業しました。私がバイオベンチャーに勤めていた時に一緒に仕事をしたこともあり、また学術的にも面白いことをしているので非常に期待しております。昨日も懇親会でしゃべった時には、特に会社の経営のことで、とてもいいことを言っておりました。会社は従業員のためにあり、従業員がモチベーションを高く持てて楽しくできるような会社でないと発展しないと。4月からは、勤務時間を30分短くして、逆に給料は上げるとまで言っていました。なかなかできないことだと思います。
経営戦略的には、ナレッジベースで勝負し、絶対にマニュファクチャー(製造業)はしないとまで言っていました。このことは私自身も感じていたことなので、やはり今後のベンチャーが教訓にすべき方向性だと思います。マニュファクチャーをすると設備もいるし、絶えず品質の保証、あるいはクレームの対応などしなければなりません。価格競争にもさらされるため、利益率もそんなによくなりません。そういう意味で、日本のベンチャーの今後の方向性としてはナレッジベースで生きていけるような戦略を立てていくほうが勝てると思います。そのためには、どこにも負けない新しい技術力、アイデアがいるわけですが、そういうものがあれば堂々と世界で勝負できるのです。今回のビジネスモデルの対象となった会社にはオンリーワンの技術力があるので、今後もどんどん伸びていくのだろうと思いますし、社長の考え方も従業員を第一に考えているので、いい会社になっていくでしょう。がんばって欲しいです。
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コメント
松原先生へ
ご紹介されている“バイオベンチャー企業”素晴らしいですね。その方は研究者としても、経営者としても凄い方ですね。自分もあとウン十年若かったら、使って貰いたいくらいです。従業員のモチベーションって大切だと思います。少数精鋭主義でいいですから、アメリカのシリコンバレーみたいにストック・オプションとかインセンティブを与えて、従業員が夢を持てるような、そんな企業に育って欲しいですね。
ナレッジベースで世界で競争力があるなんて、これも凄いですね。こういう世界で競争できる“オンリーワン技術”を持った企業がもっともっと、この日本で育って欲しいです。そうなれば、日本ももう少し明るい未来像が描ける国になるでしょうね。
投稿: 阿頼汪 | 2007年3月19日 (月) 19時15分
阿頼汪さん
特にベンチャーでは、社長さんによって会社の雰囲気というものできますよね。そういう意味で、成功しているベンチャーは社長も社員も生き生きとしているのでしょう。ライブドアとかも堀江さんが立ち上げたときには、生き生きとやっていたのだと思いますが、後半はやり、自分だけが目立とうとしていたような気がします。
投稿: Mamoru Matsubara | 2007年3月20日 (火) 10時34分