1回生への講義。
朝からバイオ環境概論の講義がありました。遺伝子、ゲノム、タンパク質、プロテオーム関連の話をしました。今年の1回生は、比較的落ち着いた感じで私の講義を聞いてくれました。回収したコメントも非常に興味深い内容だったと書かれていたものが多かったです。また、例年以上に質問を書いてくれた学生さんも多かったです。今年新たにスライドにしたiPS細胞の話は、やはり皆さん興味を持ったようです。あとは、高速DNAシークエンス時代になり、個人のゲノムが1000ドルで読める時代が来るかも知れないという話も新しく入れました。そうなったときに、自分のゲノムを読みたいかどうかを聞いたところ、170人中2割もいませんでした。やはり、なんとなく自分のゲノムが分かってしまうことへの不安があるようです。いずれにしてもこれから4年間、バイオに関連する様々な技術について勉強してもらって、卒業後はよりレベルの高い科学リテラシーを持った人材になって社会に出て行ってもらいたいです。期待しましょう。
午後は、共同研究がらみで会社の方とディスカッションをしておりました。来られた2人の方とも、学内に知り合いがいるということでした。1人はS先生と同じ会社で働いていたということでした。もう一人の方は、K先生の教え子ということでした。世間は本当に狭いです。
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コメント
松原先生 おはようございます。
とても興味のある講義ですね。先生の講義とても聴講させて頂きたいです!
今年は、iPS細胞の話とか、トピックもあって、特に面白かったでしょうね。
それと、年(学年度)によって、生徒さんの“質”って違いますよね。あれ、なんでなんですかね。もう小学生の頃から違いますね。多分、親御さんの育ってきた生活環境の差(団塊の世代の子は団塊の世代の親の影響を受ける)が影響していると思うのですけど、まさか年によって遺伝子構造が……。
わたしも
「自分のゲノムを読みたいかどうか」
って聞かれると、ちょっと躊躇しますね。もう“丸裸”にされるようなもんで、その辺の“プライバシー保護”は厳重にして欲しいです。知らない間に個人情報が流れ出ると言う、杜撰な体制の国ですからね。まあ、それはさておいて、本当は自分のゲノム情報は知っている方が良いでしょうね。自分の潜在的な病気の確率が解って注意した生活を送りますものね。
やっぱり、フレッシュマンには期待しちゃいますね。その中で一人でも国際的に通用する人材が育てば……と言うか(もっと沢山)育って貰わなければ困ります。これからの日本を支えていく技術は“バイオ”とナノテク等の“スーパーハイテク”って持論は健在ですから。あと、金儲け度外視で“地球環境問題”には真摯に取り組んで行かなければ“国”の前に“世界”がダメになる可能性もありますよね(これも先生がご存じのように「ウソ」が多いですけど、世界的な自然破壊は現実にある訳ですし、非常に問題だと思います、あの「ウソ」の著書で安心してしまえるような状況にはないと思います)。
これからの“厳しい”国際競争社会&厳しい環境社会を生き残って行かなければならない若い世代の学生さんたち、大変でしょうけど、やりがいはあると思います。でもそのまえにこの腐敗した日本の社会構造(世界のか?)をどうにかしなくてはならないと思いますけど。これも、日本政府や国民が“先送り政策”を取り続けてきた“つけ”なんですけど……、ここは年寄りの“現状社会の矛盾点”を十分に理解した人たちと、“若い世代のクリーンな精神&体力”とのコラボレーションで、乗り切って行かなければならない、“大きな課題”だと思います。
そういう先人が作った(未だに作り続けている)”負の遺産”ですが、まずは小さくてもそういう“志”を持った人たちで、仲間を作り、議論することから始めるべきだと思っております。と言って過激な行動に出るわけではなくて、国民を“啓蒙”(&“道徳”の再構築)して行く必要を感じています。そして、大メディアが信頼出来ないこの国では、草の根的に、ネットなどで信頼性のある情報発信をして行くべきなのだと思っています(かなり危険があるかも知れませんが、こちらも“政治力”を持つことだと思っています)
ちょっと、話が飛んでしまった上に長文になってしまって、申し訳ありませんでした。
投稿: 阿頼王 | 2008年5月15日 (木) 06時28分
阿頼王さん
阿頼王さんのコメントはいつも勉強になります。有難うございます。
確かに自分のゲノムを読むということは、プライバシーが丸裸にされたと同じなので、相当な情報の保護が必要になると思います。そうでなければパーソナルゲノムの時代は来ないでしょう。
確かに若い世代がこの日本を背負っていくには、日本自体の様々なシステムあるいは政治家や国民自体も変化しなければならないです。本当の力をつけて国際社会に通用する国にしなければ。どのようにそういう国にしていくかはほんと難しいのでしょうが、 阿頼王さんが言うような草の根的な活動がそのうち大きな力を持てるようになるといいです。
投稿: Mamoru Matsubara | 2008年5月15日 (木) 22時54分