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2008年8月29日 (金)

ゲリラ豪雨、ベンチャー訪問

 朝、起きたら名古屋や岡崎で避難勧告が出ているではありませんか。念のため、嫁さんに電話して様子を聞きました。未明にゲリラ豪雨があったということで、道路が冠水していたとか。朝はだいぶ引いていたようです。一番心配したのは、車のことで、立体駐車場の一番下(地下2階に相当する位置)に駐車しているので、おそらくかなり水が溜まってしまったのでは。案の定、タイヤがかぶるくらいまでは浸っていたようです。でもエンジンはかかって問題なく走ったようなので一安心です。あと、自分の実家のほうも川の近くに建っているので電話で確認しました。一応大丈夫とのことで安心しました。2000年の時に東海豪雨があり、その後河川の改修工事をして1時間に60mm程度は耐えうるようにしたということです。今回はちょうど1時間当たり60mm程度だったようです。
 岡崎のほうは、それ以上だったようでかなりの被害がでているようです。さすがに1時間150mm近くというのはどんな都市災害対策をしても無理でしょう。自然の脅威です。

 本日の午前中は、京都の桂のほうにあるPF社のほうに行って来ました。昨日、そこの社長さんから電話があり研究のことで相談があるとのこと。ベンチャーなのでそのあたりは迅速に対応したほうがいいということですぐに話を聞きに行きました。
 そこのベンチャーの建物には初めて行きましたが、自社ビルで、とてもしっかりとしたラボも持っていました。さすがに上場を果たしただけはあります。ただ、社長さんにも聞きましたが、これを維持していくにはかなり大変だということ。でもこういう建物を持つことで社員のモチベーションも上がるということです。自分も前にバイオベンチャーにいたのでそのあたりの気持ちはよく分かります。研究に関しても新入社員の方がしっかりとしたテーマを持ち研究し、なおかつ任されているようだったので、ここの社員のかたはある意味恵まれているのかなと思いました。ベンチャーによってはルーチンワークしか出来ない場合もありますので。
 お昼は近くにある京大の桂キャンパスの生協に。この京大のキャンパスもはじめてみましたが、外国の大学のキャンパスのような感じで、少し驚きました。まだまだ増設するようでさすがに日本のトップクラスの大学は恵まれています。

 
 

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コメント

松原先生 おはようございます。
最近多いですね、ゲリラ豪雨。
やっぱり気象、変ですね~。
時間60mmの雨ってスゴイ雨ですよ。
時間150mmって、瀬戸内の人間には想像つかない雨ですね。

実際は、都市計画上の問題ですね。
もしも、その都市が、分流式下水なら、理論的には、雨水は川に、汚水は下水処理場に流れて行きます。だから、幾ら雨が集中して降ったとしても、雨水管の径と、配管経路がしっかりしていれば、後は、河川の流出能力とその時の潮位の問題になってきますね(この辺は“水理計算の問題で、流体力学が確立しています(ベルヌーイの定理とか)から、完全までは無理でしょうが、ほぼ“流出能力”は計算出来るはずです)。

ところが、人間のやること、特に役人のやることですから、ほんとうにいい加減(しっかりやっている都市も、本当にダメな都市もあるとおもいますけど)。分流式下水道なら、雨が幾ら降ったとしても、『汚水量』は変わらないか、或いは“減少”する(雨の日には洗濯とかしませんから)するはずなんですよね。

実際は分流のはずの下水管に雨水が流入してきます。これを業界では『不明水』って言っています。本当に不明な訳ではないです。不明なのは、下水管を引く役所や土木業者、それに、一般家庭の施工業者の問題ですね。一応、30%未満(はっきりした規制値は忘れてしまいました)とか決まっているはずです、でないと、『分流投資』した意味がないですからね(合流方式だと、1本で済む下水管が、分流方式だと、当然2本必用になり、その建設コストは跳ね上がります)。

簡単に考えれば解る事ですけど、『合流式』(雨水と汚水を一緒に処理する方式。ただし、この場合、通常の“晴天日”の3倍を超える流入水は、“雨水”と解釈して、雨水排除設備(雨水エンジンポンプ)で、河川に排除します。これを3Qと呼んでいます)

ところで、こうやって、合流式よりも、はるかにコストをかけ(当然その維持管理&改修コストも跳ね上がる)、実施している『分流式下水』ですが、上記のような理由で、場合によっては、なんら『合流式』と変わらない“雨水”が流入してきます。つまりは、不明水が、100%を超えている場合もあると言う事です。このような場合は“最悪”ですね。と言うのは、『分流式下水道』の場合は、雨水は入って来ないはずですから、雨水排除設備がありません。さらに、処理施設能力も、晴天時と同等を前提にしていますから、下水処理場、ポンプ場と言った“インフラ”自体が危機状態(沈没して、復旧出来ない)に陥ってしまいます。

ですから、下水処理場としては、流入水を制限します(流入ゲートを閉める)。すると、当然ですが、市中は汚水が“反乱”し、浸水状態になります。しかし、ゲート閉鎖措置を取らないと、処理場、ポンプ場などの設備が水没して、使い物にならなくなり、結局、雨が止んでも、市内の復旧は出来ない状態になりますし、また、使い物にならなくなった設備は、また巨額の投資をして、造り直さなければなりません。現在、この状態が問題になって居るのだと思います。

現実上、この『不明水』をゼロにする事は不可能ですが、ひどい都市になると、多くの税金を投入しながら、結果的には“浸水リスク”が減っていない(それなら『合流式』の方がマシ)という場合も多々あるようです(正確に調べていません)。

一方で、放流水の水質基準を“より厳しく”しているようですが、これは、『分流化』(よりコストをかける方式)への後押しですね。で、実態は、簡単に考えれば解る事ですけど、幾ら『分流式』にしたところで、30%から、それ以上の“雨水”が急激に入って来る訳ですから、その最初の“汚水”は、非常に汚れた水です。これを『初期雨水』と言います。当然ですよね。今まで(雨が降るまで、ちょろちょろとしか流れていなかった下水管に、急激に大量の雨水が流れてくれば、そこに溜まっていた“汚れ”は洗い流されますよね。これを『フラッシング』と言います)。しかし確かに、規制も大事かも知れませんが、初期雨水にまで“規制”を適応しちゃうと(実際、しているorしようとしているようです。その後の水は雨水ですから、当然綺麗です)、これまたとんでもないコストを掛けて、設備を造らなければなりません(実際作っていますよね)。

もう、国ぐるみで、「お金を使いたい」と言う意思しか伝わって来ません。

本当に、改善する気があるのなら、『不明水規制』を強化し、杜撰な下水管渠工事を辞める事ですね。

はっきり言って、
「役所は、自分の発注した工事でありながら、実際の工事になると、コンサル任せ、業者任せで、『適当に繋いでおけ』状態」
ですね(ですから、不明水率が上昇する)。その他、諸事情もあるようですけど……。もっと言えば、都市計画自体が破綻して居ると言えるでしょう。

バイオベンチャーは苦戦していますね。資本金や投資金額に対する、純利益が余りにも低い企業が多いですね。

今が、我慢のしどころだとは思うのですけど、これは本来は“国家(経済)戦略”の問題だと思います。国家百年の計ではないですが、これからも、この国が、経済力において先進国であろうと“意思”するのであれば、“バイオ”“ナノ”“IT”の三大最先端技術を保護育成する支援策が必要だと感じます。それを、民間投資家に任せて、国は、相変わらずの“利権”がらみのローテクインフラ設備投資に血眼になっているのは、もう悲劇を通り越して喜劇です。

そういう輩に限って、三大最先端技術が“儲け”を出して、この国を支える産業に育った時には、それらの企業に『法的網』を被せ、“許認可権”を作って、天下りして、甘い汁を吸うのだろうと思います。

>でもこういう建物を持つことで社員のモチベーションも上がるということです

って仰るのは本当ですね。しかも、社屋が有るか無いかで、銀行の見かたも変わってくるでしょうね。投資環境の充実と言う意味でも、社屋は重要なポイントだと思います。

と、またまたまた長文コメになってしまいました。申し訳ありません^^;

投稿: 阿頼王 | 2008年8月30日 (土) 07時29分

阿頼王さん

とても勉強になります。下水の言葉でほとんどはじめて聞いた言葉ばかりですが、 阿頼王さんの説明でおおかた分かりました。裏にはいろんなことがあるんですね。そうなると、実際にはもっとうまく都市設計をしてしっかりと目標をもって作れば、ある程度の自然災害には耐えうるということになりますよね。今回のコメントもほんとうに勉強になりました。毎度のことですが有難うございました。

投稿: Mamoru Matsubara | 2008年8月30日 (土) 10時47分

松原先生へ
そうですね。理屈的には間違っていないと思っています。ただ、わたしは“都市計画”の専門家ではないので、実際は非常に『都市計画』って難しいと思います。

基本的には、インフラ整備は、人口動態が重要な“変数”になって来ると思います。
ところが、実際の“人口動態”なんて、神様でもないと解らないですよね(或いは、独裁社会のように、強制的に“住居”を決めるか)。で、一つの都市内でも、人口が増加する地域と、減少する地域が有ります。
すると、増加した所のインフラは能力不足になり、増加速度に合わせてインフラを整備しなくてはならない。方や、減少している地域のインフラは過剰状態になります。

正確な人口動態予測が出来れば良いですけど、現実は不可能。で、人口増加を過大に見ると、無駄なインフラ整備(=財政の無駄遣い)になるし、過少に見ると、ライフラインの不足状況が発生して、下水で言えば、浸水の発生となってしまいます。反対の減少地域では、インフラを整理、縮小しなければ、固定費が人口に対して大きく、無駄が発生します。

ですから、都市計画は非常に優秀な人間(人口動態研究の学者さんを入れたチームとか)がするべきだと考えますし、優秀な人間がやったとしても“完璧”は不可能だと思います。

しかし、それを“適当に”やってしまうと、『無駄だらけの財政発動』になってしまいます。現状は、そちらに近いような気がしますけど……(概ね役人が予測すると“前年度比○○%増”で一括りの予想かつ安全サイド=過大側”の予測になりますね)。

わたしも“お勉強不足”で、どこまで解って居るのかは ? ですけど、現在のわたしの理解している範囲はここら辺までです。

今度、先生の専門についても、もし良ければブログ(ブログ講座!?)で教えて下さいね(可能な範囲で)。難しすぎて理解できないかもしれませんが、良いお勉強になると思いますので。

投稿: 阿頼王 | 2008年8月31日 (日) 00時57分

阿頼王さん

都市計画の専門家ではないとはいえ十分な説明です。ほんといろんなことを理解されていますね。
こちらも今後、自分の専門についても書いていければと思っています。

投稿: Mamoru Matsubara | 2008年9月 1日 (月) 22時39分

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