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2008年11月18日 (火)

森林と医療の接点

 また寒くなってきました。明日以降も冷えるようで風邪をひかないようにしなければ。
 今日は、夕方、京都府南丹広域振興局の主催する「森々勉強会」がありました。地域で森の恵みをうまく利用するために、府民や森林、農業などに携わる人が力を合わせて考えるきっかけを作る勉強会のようです。
 本日の内容が「森林環境と次世代統合医療」というタイトルで、同じ大学のK先生が声をかけてくれました。講師は京都府立医科大学の今西二郎先生で免疫や微生物、最近では今回の統合医療が専門のようです。 
 話としては、補完・代替医療(例えば、漢方、鍼灸、伝統医学、サプリメントなど様々なものがありますが)、それらを西洋医学と組み合わせた統合医療について。更に、特にスピリチュアリティの向上を目的として現行の統合医療に癒しの空間を大切にする次世代統合医療について説明されていました。癒しの空間として森林を活用し、その環境のなかでスピリチュアリティを高めていくというものです。ここでいうスピリチュアリティというのは、単に精神的というものではなく、生きる喜びとか、生きがい感、生きる意欲、仕事への達成感、自然との共生というような概念のもののようです。これまで行ってきたものとして、森林セラピーを中心とした次世代統合医療について大阪の万博公園記念講演の森でおこなったがん患者さんの治療や一般市民を対象にした予防医学についてのデーターについても示されていました。私自身も質問しましたが、やはりこういう医療では、効果があるのかどうかを評価するのが難しいということです。特にスピリチュアリティが高まったということをどのように評価するのは本当に難しいようです。そのあたりが今後の課題のようです。確かに我々が森にいって癒される、何か「いい気」を持つのはあるわけで、こういう感覚を数値化できれるようになればこの分野ではかなりのブレークスルーになるのではないでしょうか。
 森林を多く持つ市町村の側にとっては、森林資源をこれまで考えても見なかった医療と接点を持たせることで何か新しいものを生み出せるきっかけにしたいというのも今回の勉強会の一つの目的のようです。
 ここ最近、大学外での勉強会に出ていなかったので少し刺激になりよかったです。

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コメント

松原先生 おはようございます。
面白い研究をされている先生がいらっしゃるのですね~

西洋医学に限界が感じられ、医療の世界に東洋医学が取り入れられ始めたのは、もうかなり以前になりますけど、『癒しの空間を大切にする次世代統合医療』って、面白い考えですね。

でも“癒しの空間”って大切だと思います。今の病院って“癒しの空間”と言うより、「ここに来たら観念しなければ」って思わせるような“空間”ですよね。なんか病院に行っただけで、病人になっちゃうような……。

人間って、フィジカルな存在であると同時にメンタルな生き物ですから、メンタルケアの有る病院って良いな~ と思いますけど、その先を研究されているお医者さんがいらっしゃるのですね。

“スピリチュアル”って言うと、なんかオカルト的ですけど、WHO(世界保健機関)も、もう十年位前(?)から、“スピリチュアル”って概念を入れて居ますよね(WHOの言う“スピリチュアル”が具体的に何を言うのかは知りませんケド)。

わたしも昔から、病院嫌いなんで、
「なんで、もっとそこ(病院)へ行っただけで“癒し”を感じるようにしないのかな~ そういう病院にして欲しいな~」
って、思ってましたので、とても良い研究をなさっていらっしゃると感じました。

森林って言えば、これも昔、流行りましたよね“フィトン・チッド”。森林浴すると、何故リラックス出来、免疫力が向上するのか。森林の環境が与える精神的なリラックス効果と、具体的な物質“フィトン・チッド”の効果が有るとか。

>やはりこういう医療では、効果があるのかどうかを評価するのが難しいということです。特にスピリチュアリティが高まったということをどのように評価するのは本当に難しいようです。

でしょうね~ まずもっと厳密に、『生きる喜びとか、生きがい感、生きる意欲、仕事への達成感、自然との共生というような概念』レベルを超えてもっと厳密に“定義”しなければなりませんけど、これら自体、個人個人違いますものね。

出来るとすれば、気長な話ですけど、“次世代統合医療を受けた人と、受けなかった人との延命データ”を蓄積して比較して行く事くらいでしょうかね~ でも、これも、厳密な数値データにするのは難しいでしょうね。

お医者さんが「余命○か月」と言っても、それより早く亡くなる方も居れば、はるかに長く生きられる、場合によっては自然治癒される方もいらっしゃいますものね。

あとは、マウス等の実験動物を使った数値データを取る方が、時間短縮は出来るでしょうけど、人間とマウスでは“スピリチャリティ”が違いますからね。

でも、解らなくても、そういう治療を望まれる患者さんたちには、そういう選択肢を与えてあげて欲しいし、何より、わたしがそれを望むかも知れません……デス。

投稿: 阿頼王 | 2008年11月19日 (水) 07時12分

阿頼王さん

(でも“癒しの空間”って大切だと思います。今の病院って“癒しの空間”と言うより、「ここに来たら観念しなければ」って思わせるような“空間”ですよね。)

まさにそうですよね。そういう意味で、癒しの空間としての場というものが必要ということを次世代統合医療を研究されているかたは感じているのだと思います。

(でも、解らなくても、そういう治療を望まれる患者さんたちには、そういう選択肢を与えてあげて欲しいし)

確かに、評価できないとしても、そういう癒しの空間でスピリチュアル感が得られて、その人にとって生きがいをもてたり、元気になればいいわけで、それこそがこういう医療の方向性ではないかと思います。いいところに気づいたと思います。

投稿: Mamoru Matsubara | 2008年11月19日 (水) 19時56分

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