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2010年7月29日 (木)

高大連携授業 「タンパク質実験を体験しよう」

  今日は高大連携授業があり、近くのN高校の生徒さん40人に「タンパク質実験を体験しよう」と題して、様々なタンパク質を用いた実験を指導しておりました。
 12日に事前にバイオやその中で特にタンパク質の重要性について授業をしていたので、今日は実験を通してタンパク質について更に理解を深めてもらおうということで企画しました。
 午前中は、まずはじめににバイオ実験でお決まりのピペットマンの使い方を教え、しっかりと目的の容量を分取できるようにしました。実際に1000μlの量を正確にとれているかを電子天秤で一人3回測定させて、いずれも同じ量を分取できるかを競わせました。これだけでもかなり興味をもってやってくれました。非常にピペットマン操作が上手な生徒さんがいて、3回とも999μlを記録していました。思わず「すばらしいです」と褒めてしまいました。
 次に、身近な生活用品の中にあるタンパク質を使った実験として、洗剤やコンタクトレンズの洗浄液の中にあるタンパク質(酵素)であるタンパク質分解酵素について学ばせました。洗剤の粒の中には青い粒がありますが、このなかにはタンパク質分解酵素が入っています(他にはセルラーゼなども入っていますが)。そのため、生徒さんにはピンセットで青い粒をつまんでもらい、それを蒸留水で溶かしてタンパク質分解酵素液を作ってもらいました。その溶液がタンパク質分解酵素として機能するのかをチェックするために、スキムミルクの白く濁った液がどのようになるのかを観察してもらいました。コンタクトレンズの洗浄液と同様に、白く濁った液は反応させると透明になります。タンパク質分解酵素が働き、スキムミルクの白濁の原因タンパク質であるカゼインがアミノ酸にまで分解され透明になるわけです。ある意味劇的な変化が現れたので、それなりに生徒さんにはインパクトがあったようです。
 更に午後には、ホタルの光る現象(これもルシフェラーゼというタンパク質が関与しています)を試験管内で再現させ、このタンパク質(酵素)に由来する反応が、温度やpHなどにどのように影響されるのかを観察してもらいました。さすがにこの実験では、ホタルのきれいな光が試験管内で再現されると歓声があがりました。光り物にはやはり生徒さんの反応はいいです。この実験を通して、ホタルの光る反応は酵素反応であり、この反応が機能するには基質としっかりとはまり込むような酵素の形が重要であり、この形を壊すような条件を与えると酵素反応が進まなくなることを知ってもらいました。
 最後は、今やタンパク質は組換えDNA技術によって大腸菌などを用いて大量に生産されることを理解してもらうために、オワンクラゲの蛍光タンパク質であるGFPを大腸菌に発現させ、そこからGFPを取り出す実験をしました。12日の事前授業では、サッカーのリオネル・メッシの活躍の裏にも組換えDNA技術があるのだということを教えていました。メッシが低身長症の治療に用いていた成長ホルモンはまさに組換えDNA技術で作ったものであり、今日GFPを大腸菌で発現させた技術と同じ技術で作ったものであるということも意識させました。実験では、最終的に取り出したGFPが紫外線を当ててきれいな緑色を呈すると生徒さんらは歓声を上げていました。
 まだ高校1年生ということで、遺伝子とかタンパク質、更には一般的なバイオテクノロジーというものは生物の授業では学んでいないので、なかなか理解させるのは難しいです。しかし、今回の実験を通して少しはこの分野の面白さを実感してもらうと同時に、実験の楽しさを体感してくれたのではないかと思います。生徒さんが、「有難うございました」と大きな声でうれしそうに実験室をあとにしたのは印象的でした。
 今回は、4人の学生さん(大学院生1人を含む)をTAとして実験のフォローをしてもらいましたが、非常にがんばってくれて生徒さんや高校の先生からの評判も良かったです。彼等の自信にもなったでしょう。
 午前中の開講式には、うちの大学の学長先生や高校の校長先生も挨拶にこられ、お忙しい中1時間近くも興味深く見て頂きました。更に京都新聞の記者さんも面白いですねと声をかけてくれました。そういう意味では、まあまあの企画だったのではないかと思います。
 

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