元局長の無罪。新司法試験の問題。
昨日、今日は、学生さんとDNAワークをしておりました。久しぶりでしたが実験自体は順調に行きました。国立大の大学院に受かった学生さんたちなので実験の理解度もよくやりやすいです。卒論のほうもこれから徐々にペースを上げていくことになるでしょう。
厚生労働省の元局長さんの裁判は無罪になりました。ある意味免罪になりかけた事件ということで、正義を追求する検察は徹底的に批判されるべきです。この事件が報じられた時は、我々もまたマスコミの報道で元局長はけしからんと思ったわけですから本当に怖い話です。元局長さんは、100日以上も拘束されたわけで、「もうこれ以上、私の時間を奪わないで欲しい」とおっしゃったのは本当に良くわかります。今後、復職されて良いお仕事をされることを期待したいです。
新司法試験の合格発表があり、8163人の受験者数に対し、合格したのは2074人で、合格率は25.4%ということでかなり厳しい数字です。受かりやすい法科大学院と受かりにくい大学院とが明らかになっているというのも問題でしょう。どんどん受かりやすい、すなわちレベルが高く教育の質も高い大学院に学生が流れていき、今後もどんどんこのような傾向が強くなっていくのでしょう。更に、司法試験が受かっても就職率が半分くらいだということで、法曹人口を多くするという国の目論見は完全に崩れています。知り合いの弁護士の人も言っていましたが、新司法試験で出てきた弁護士のレベルも今ひとつのようです。
法科大学院もそうですが、薬学部の6年制大学の新設ラッシュから今後引き起こるであろう薬剤師過剰時代なども国の政策ミスかもしれません。そういう意味では、問題になる前にいろんな手を打っていく必要があるのでしょう。
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コメント
松原先生へ
今日の神戸新聞電子版で、
『ES細胞から小脳神経 神戸の理研、マウスで成功』
って記事が配信されていますね。
(http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003431214.shtml 参)
遺伝子の発現・分化って、未だに良くは解っていないのですよね?
理研さんは、
『特定のタンパク質を加えるなどして』『試みたうちの約3割を、この細胞に分化させることに成功』したらしいです。
昔、わたしが読んだ発生生物学者の岡田 節人氏の著作には“発生場”のようなものを想定されていましたけど、確か“神経細胞”も関与している可能性があるような事が書かれていたように記憶しております。
この分野は、ますます目が離せない感じですね。段々と、“分化のしくみ”が解ってくるのでしょうね。
検察・警察そして司法って、組織も解り辛いし、『守秘性』からかも解らないですが、非常に“閉鎖的”(密室性が高い)ですよね。まあ、それで始まったのが“裁判員裁判”なのかも判りませんけど。今回のような“検察の過失”が在った場合は、検察にも責任をとってもらいたいですね。検察の過失って本当に軽くないですよ。人一人の人生を破壊しちゃう可能性が大きいですから。
今回の『厚生労働省の局長さん』も、職場復帰するにしても、気持ち良くは復帰出来ないと思います。一度“煙”が立った職場の居心地は良くないと思います。
なんか、最近検察の動きが“国策捜査”っぽいような気がしてなりません。感覚的なんですけど、
『“公務員村の掟”に引っかかる奴は潰せ!』
みたいな感じですかね~。
国家公安委員会・検察・警察って、“国家権力”の中の『暴力装置』ですから、それが、もしも“誰かの意図”で動かされていたとすれば、本当に恐ろしいです(なんか『1984』の読みすぎ^^; ですかね)。
投稿: Kouryuu | 2010年9月13日 (月) 17時30分
Kouryuuさん
ES細胞からの小脳神経形成ですか。このあたりの研究は、iPS細胞からの様々な細胞の形成などの研究と同様、本当に盛んな分野です。実際にどのようなタンパク質をどれくらいの時期にどの程度の量を加えるという微妙なところである細胞が出来たりします。その根本的なメカニズムについては未だ分からないことが多いかと思います。
国策捜査ってやはりありますよね。明らかに国家権力が裏で暗躍しているような事件はあると思います。(ドラマの見すぎかもしれないですが、感覚的にそう思えますよね)
投稿: Mamoru Matsubara | 2010年9月13日 (月) 19時37分