忙しい水曜日。ノーベル化学賞。
今日は、朝から夜まで講義、会議で休む暇がありませんでした。会議が終わったのは午後7時半で、その後、明日の実習の準備や講義の準備をしておりました。
そんな中、先ほどニュースを見ていたら北大の名誉教授の鈴木先生がノーベル化学賞を受賞したことを知りました。有機化学の分野なのであまり詳しくはありませんが、名前は存じ上げていました。「鈴木カップリング」という反応を大学時代に習ったかどうかは忘れましたが、調べてみると確かに非常に意義ある反応です。有機化学というのはいかに容易にコスト安く反応を引き起こすというのが重要ですし、うまく反応を組み立てれば無限の化合物を合成できる可能性があります。
最近のノーベル賞化学賞はどちらかというと生物系の分野が多かっただけに、今回の有機化学系分野の受賞は化学賞らしいと思いました。日本のこの分野の層の厚さにも驚かされます。
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コメント
松原先生 お疲れ様です。
「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」技術って、1970年代に注目された技術なんですね。それが30~40年も経ってから“ノーベル賞”受賞になるのですね。
なんか、わたしの感覚から言えば、もう少し早く受賞対象にするならした方が…なんて思っちゃいますけど。
こんなに“年数”を開けちゃうと、(あまり縁起の良い話ではないですけど)物故者に賞をあげる事にもなっちゃうような気が…。
そう言えば、わたしとしては納得行きにくいのが今年の物理学賞ですね。
ロシア人の科学者アンドレ・ガイム教授(51)とコンスタンチン・ノボセロフ教授(33)が、『炭素シート「グラフェン」の開発が評価され』て受賞されたようですけど、その前に(「グラフェン」の基礎技術になった)「フラーレン」や「カーボナノチューブ」の開発があった訳で、
「当然、そちらが先なんじゃ~ないの」
って思っちゃいます。C60フラーレンは『ハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールが、1996年度のノーベル化学賞を受賞』しているのですね。でも、その理論はそれ以前に『豊橋技術科学大学の大澤映二は、1970年頃、ベンゼンが5つ集まって皿状になった「コランニュレン」という物質の構造がサッカーボールの一部と同じであることに気づいた。ここから、実際にサッカーボール状の C60 も存在しうると考え、考察の結果を邦文雑誌などに公表した』のですね。ただ、日本語文献だけに発表し、英語では発表していなかったのですね。
やっぱり科学の世界は“英語”がスタンダードなのですね。
やっぱり“英語”は大事だ!
「カーボナノチューブ」も、『1991年、日本の飯島澄男(当時NEC筑波研究所。現NEC特別主席研究員、産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターセンター長、名城大学大学院理工学研究科教授)によって』発見されたのですね。
新聞の報道にもありましたけど、「グラフェン」を受賞させるなら、少なくとも「カーボナノチューブ」も受賞されるべきですよね。
しかし、何故、「フラーレン」は化学賞で、「グラフェン」は物理学賞なのですかね~ それもなんか素人には解り難いですね。
投稿: Kouryuu | 2010年10月 7日 (木) 02時47分
Kouryuuさん
「グラフェン」という素材開発という意味では、化学賞でもいいぐらいかもしれないですね。そのあたりの基準は分からないですが、量子力学的な意味もかなりあったということなのでしょうか。
「カーボナノチューブ」の飯島先生もいつか化学賞をとれるといいのですが。
投稿: Mamoru Matsubara | 2010年10月 9日 (土) 02時38分