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2015年3月28日 (土)

第100回薬剤師国家試験の結果

 昨日、第100回薬剤師国家試験の合格発表があった。薬学部出身ということもあり毎年気になってしまう。
特に6年制になり新設の薬学部も多くできて、薬剤師教育・養成という点で社会的にもいろいろな問題が出てきている。その中で国家試験の結果をみることによってもさらに問題が鮮明になってくることもある。
今回の下馬評では全体の合格率が60%以下になることも予想されたが、昨日発表された合格率は63.18%であり、昨年よりはわずかであるが上昇した。ただ、10問以上も全員正解にするという補正をかけているので、もしこれがなければ60%を切ったのではといわれている。補正をかけないことで不合格者が多くなり、既にドラッグストアなどに就職が決まっている学生らに不都合がないようにと厚労省も考慮したのかもしれない。

今回の私立大学薬学部の合格者数と各大学の6年前の入学者の数字から、入学者数に対する合格率を算出してみた。留年者も入ってくるので正確なものではないが、各大学に入学した学生さんのどれくらいの人たちが薬剤師になるのかが分かる。ひどいところは10人のうち2人もなれない薬学部がある。これは薬剤師養成をしているといえるレベルではない。最終的には法科大学院のように淘汰されていくのであろう。
あと気になることとしては、出願者数と受験者数にかなり違いがある薬学部もあることである。ひどいところは半分以上を受けさせず、見かけの合格率が上がるようにしている。資格試験のある学部にとっては合格率が大学に受験生を呼び込むためのアピール材料になるので仕方がないところもあるが、本質的にはかなりまずいことをしている。
 こういうことが行われることによって結果的に薬剤師の評判が落ちることになるのではと非常に心配している。

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