2007年12月11日 (火)

学会1日目、同級生との再会

 今日から学会です。午前中はしっかりと講演を聞いて勉強しました。質問もしたりしてやる気をみせております。午後は、多くの知り合いと話しておりました。みんな独立してかなり精力的にラボを運営し結果もだしており、こちらもかなり刺激になります。逆になかなか落ち着いて研究できていない自分が情けなくなったりして。なんとか気合を入れなければと思います。
 10年以上ぶりに大学の同級生Kさんにも会いました。彼は、今、アメリカでPIをしており、かなりいい仕事をしております。聞いたところによると7人のポスドクを雇っているということ。今回は、娘さんが生まれてから初めて日本に帰国したということで、里帰りと、今回の学会にも呼ばれているとのことでした。娘さんも見ましたがとてもかわいかったです。私が手を振ったときも笑顔で答えてくれました。奥さんも同じ研究所でPIをされているとのことで、すごいの一言です。アメリカは家族のこともいろいろと考えて人を雇ってくれるとのことで優秀な人はどんどん伸びていくわけです。ついつい話がはずんで長い時間しゃべりました。本当に久しぶりで話が尽きませんでした。アメリカでPIとして生きていくにはかなりプレッシャーがある中でも家族を大事に、そして研究室もマネージメントしていく姿に脱帽です。日本の研究室主催者とは全く次元が違うなと思いました。
夜は、前の会社の仲間が学会に来ていたので、一緒に食事に行きました。その中の一人のKさんは、初めて学会に来たということでした。会社では地道な仕事を毎日がんばっているので、たまにはこのような学会に来て刺激をもらうのはいいことかと思います。逆にこちらは、会社にいたとき、かなり学会に行かしてもらっていたので、半分申し訳ない気持ちも。おとといその会社の友人の結婚式があったということでそのデジカメ写真も見せてもらいました。なかなかいいお嫁さんの顔をしておりました。今は新婚旅行でラスベガスということで、うらやましい限りです。私の出した電報も読まれていたとのこと。お幸せに。
 

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2007年11月21日 (水)

今日の1面は万能細胞

 午前中は講義準備、午後は長い会議で一日が過ぎてしまいました。研究のほうはなかなかゆっくりとできません。
 今日の新聞の1面はヒトの皮膚から万能細胞が作られたという、京大再生研の山中教授らの成果が載っていました。20日にCellの電子版にpublishされたということで、すばらしい成果です。マウスで1年前に発表されていて、時間の問題ではあったわけですが、ヒトでもマウスのときと同じ4個の遺伝子が万能細胞の誘導に関わっていたということで、これで一挙にこのES like細胞(iPS細胞)の研究が加速されるのでしょう。山中先生らのチームだけかと思いきや、さすがアメリカの強引さというか、サイエンス誌にも米ウィスコンシン大の結果も載ったということでこの分野の競争の激しさを物語っております。
 ちょうど家から帰ってきたら、NHKの21時のニュースで山中教授が出演していました。今回の成果は、ほぼ全ての新聞の1面だったようですし、アメリカのブッシュ大統領もコメントを出したということですからノーベル賞級の発見かもしれません。すごいの一言です。

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2007年7月27日 (金)

田中耕一さんと共演

  今日は、昼から島津製作所の質量分析計のユーザーズミーティングがありました。私は、島津の装置を使ったことが無いのですが、なぜか今日はトップバッターで講演することに。ほとんど事前練習しなかったのでぶっつけ本番でした。ちょっと疲れモードだったので今ひとつでしたが、懇親会のときには結構聞いてきた先生方がいたので興味を持ってもらった人もいたということでしょう。
 私の後の演者は、なんとあのノーベル化学賞受賞者の田中耕一博士でした。島津のほうの立場からコメントしておりました。有難いお言葉です。田中さんとは、ちょうどノーベル化学賞をとった最初のセミナーで私が愛媛大学の東山先生と座長をさせてもらった時にお会いして以来でして、少し白髪が多くなったような感じでした。懇親会のときにもご挨拶をしてお名刺をゲットしました。何か測定のことであったら相談にのってくれるとのことでうれしい限りです。
 他にも、昔から知っているA社のYさんも演者でしたし、知っている人が思った以上にいてよかったです。
 こういうところに参加すると、もっと研究のほうがんばらなければと自分にハッパをかけたくなります。また、こういうところで田中さんと共演できるようにがんばろうと思います。

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2007年4月13日 (金)

科研費内定!

 夕方、大学の事務のほうから科研費の交付内定通知が来ました。この数年間は企業にいたということでブランクがあったわけで、実際に採択できるのかドキドキした気持ちで結果を待っていただけに、久しぶりに晴れやかな気分です。特に巷のうわさでは、私立大学では、国公立、特に旧帝大に比べてはるかに採択率が悪く、審査もかなり国公立大学に有利にしているようなことを聞いていましたし、私立大で通る人の多くは審査員となんらかのコネクションがあるケースが多いということも言われていたので、そういう中で通ったのは、審査員もしっかりと公平に読んでいるのだと感じました。自分としては、この2,3年でN誌の姉妹紙に2報出していたのと、国内の学会誌にも総説を2報出していたので、これで採択されなかったら、よっぽど研究テーマや研究計画の書き方が悪かったのだろうと自信をなくすところでした。これで、大学在籍中に出した科研費は3勝0敗ということで、きっちりと仕事していればそれなりに評価されるのだということが分かりました。
ひとまず2年間コンスタントに研究資金が入ってくるのは研究室の最初としては幸先がいいです。逆にこういう研究費が入ってこないとほとんど他と競争できる研究はできないので、そういう意味でも首がつながった感じです。あとは、研究して論文書いて、また研究費とってというように循環させていくしかありません。教育や大学の営業企画的な仕事も平行してやらなくてはならないのでプレッシャーはありますが、日頃、自分が学生にもある程度プレッシャーをかけて授業をしているので、今度は自分にもプレッシャーをかけてがんばっていくしかないです。人間、少しくらいのプレッシャーを感じて仕事をしたほうがいい成果がでるのかもしれません。とりあえず、最近かなり煮詰まっていただけに、自分にとってはいいニュースでした。(そういえば今日は13日の金曜日だったのですね。)

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2007年1月23日 (火)

ファイザーも研究所閉鎖

  製薬企業の合併とか閉鎖とかが最近多くこのブログでもネタにしておりますが、今日、また閉鎖のニュースが入ってきました。日経新聞中日新聞のWebニュースによると、ファイザーも日本の武豊(愛知県)の中央研究所を閉鎖するようです。約400人が影響を受けるようです。ファイザーは世界一の製薬企業ですが、そのファイザーにしても厳しい状況で、その結果、やはり日本の研究所は標的にされてしまいます。ほんと厳しい世界です。ここの武豊の研究所には、私の母校の出身の研究者がたくさんいますので、彼らのことを思うと心配です。でも優秀な人が多いのでどこかの会社で必ずやっていけると思います。
 グラクソスミスクラインも先日閉鎖の発表があったばかりですし、今回のファイザーといい、世界の上位の製薬企業のリストラはすごい勢いです。薬の特許が切れる一方で、革新的な新薬がでにくく、莫大な開発費もかかることから、今後も同じようなことが繰り返されるのでしょう。
 それにしても日本の研究所が標的にされるのはやはり創薬する力がないのでしょうか。売れる新薬をたくさん創り出していたら、そう簡単に研究所が閉鎖されるということは無いと思うと少し残念です。
 またもや閉鎖の話題になってしまいました。

 
 
 

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2006年12月21日 (木)

電顕研究会参加

 昨日は、大学の学部の忘年会が、京都の南禅寺の近くの落ち着いたお店でありました。とても楽しい会でした。特に今年は学部の立ち上げということで、皆さんこの8ヶ月まっしぐらにがんばってきたので、本当にお疲れ様でしたということで気持ちが一つだったような気がします。
 今日は、阪大の中之島センターでR研のMさんが主催する電顕の生体構造解析分科会の研究会で、お誘いを受けて参加してきました。特に膜蛋白質などの解析では電顕は威力を発揮するということで、最近の成果について少し知識を入れておきました。若い人の情熱あふれる発表もあってなかなか良かったです。R研の時に仲良くしていただいた方もたくさん来ていて懇親会では、ゆっくりとお話できて良かったです。皆さん、いい仕事されていて、こちらも刺激を受けます。明日も朝早くからあるので、少し疲れ気味ですが、がんばって聞きます。ほとんどの皆さんは近くのリーガルロイヤルホテルに泊まるということだったので、私もそうすれば良かったです。(ネット予約で7000円だったとのこと。もっと高いホテルという先入観がありました。)
 ニュースのほうも昨日からいろいろとありました。亀田も今度はすっきりと勝ったようです。前回よりは人間的にも少しは成長したのではないでしょうか。
一方、悲しいニュースもあり、青島幸男さんや岸田今日子さん、カンニングの中島さんが亡くなれたということでとても残念です。岸田今日子さん昔の印象はムーミンの声ですよね。カンニングの中島さんも、リンパ性白血病ということで、去年の本田美奈子さんが骨髄性白血病で亡くなったこともあり、最近若い人がこういう病気で亡くなるのはつらいです

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2006年12月11日 (月)

もっと自分に厳しく

 学会参加も終わり久しぶりに大学でのお仕事です。朝は、来年度の科学英語の担当ということなので、月、木曜日に来られている非常勤講師の先生にご挨拶をしてきました。来年度の講義内容もこれから一緒に詰めていかなければなりません。
 いろいろと仕事もたまっていて、今日は一つ一つ片付けていました。タンパク質同定のためのサンプル作りを特に集中してやっていました。最近は、装置の感度がいいので、このサンプル作りもほこりや自分の手垢、髪の毛などが入ったら、すぐに解析結果がケラチンということになってしまうので、慎重にやらなければなりません。厳密にはクリーンルームの中ででもやったほうがいいのですが(現実にそういうところでやっている研究者もいますが)、そこまではさすがにできないので、しっかりと手袋をして気をつけてやれば経験上は大丈夫です。冬は毛糸のセーターは厳禁です。かならず結果にでてしまいます。
 サンプル調製の待ち時間とかに、他の先生から来た論文の初稿チェックや、自分の論文の構想や、メーカーと一緒に出すテクニカルノートのチェックなどしておりました。一方で、最近は、論文も机の上に積まれていて、なかなかじっくり読めません。知らない間に世の中は進んでいるというのに。フォローできていません。
 つい2ヶ月前にNatureの個人購読も初めてしまい(今年一杯まで安いというキャンペーンに見事ひっかかってしまいました)、目標としては1週間でほとんどのページを読むという大胆な計画をたてたのですが、未だ実行されていなく、ほんと情けないです。週に1冊送られてくるので、雑誌が溜まるいっぽうです。記事としては確かに面白い内容が多いので読みたいのですが。もっと自分に厳しくしないと、ほんともったいないです。
 ということで、なかなか思どおりいかない毎日です。

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2006年12月 8日 (金)

分子生物学会最終日

 今日も朝から夕方まで学会でお勉強してきました。朝は、数年前に理研播磨でお世話になったM先生がオーガナイズされていた構造生物学のシンポジウムを聞いていました。今年亡くなられた江橋先生が発見したトロポニンによる筋肉収縮メカニズムを構造レベルで解析したという話は、ちょうど私が理研にいた時にまさにメインでやっていたTさんが朝から晩まで結晶化やX線解析をしていたのを現場で見ていたので、いろいろと思い出しました。他にはアクチンやキネシン、タイチンなどいずれも細胞骨格や筋肉関連タンパク質で非常に構造解析は難しいとされていたものでしたが、最近の解析技術のおかげで徐々に分子レベルでその機能制御メカニズムが分かってきているようです。
 ランチョンセミナーは島津製作所のプロテオーム関連のお話でした。これは自分の専門領域なので物足りなさもありましたが、田中さんがノーベル賞をとって島津製作所もかなりプロテオームに力を入れており、関連製品も海外のメーカーに負けないくらいいいものが出つつあります。
 午後はポスターを少し見て、その後のシンポジウムは、プロジェクト型研究時代の生命科学の問題というのを聞きました。特にバイオデーターベースを作っている人たちの方が主催してゲノムのデーターベースの現在の問題点などについて議論していました。結構、発現データやアノテーションの間違いがあるということのようです。また、バイオデーターベースを作っている側の評価ももっとしてほしいということも言っておりました。創薬の現状についても話していた人がいて、ほとんどの製薬会社は本当の意味で革新的な薬を作っていないということで、最近私読んだ「ビッグファーマ」という本の中で書いてあったことを的確に言っていたので、思わず頷いていました。結局、ものまねの薬が多いということです。
 ということで、夕方までまじめに聞いていました。
 帰ってきたら嫁さんもどうも胃腸風邪で調子を崩していたので、夕飯は軽いものですませました。週末はゆっくりと休むことにします。

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2006年12月 7日 (木)

分子生物学会参加中

 ようやくココロログのメインテナンスが終わり書き込めます。いつも決まった時間にブログ書こうとしてもつながらないのはなんか変な気分でした。
 昨日から名古屋で開催されている分子生物学会に参加しております。6月に生化学会との合同で京都であったのですが、今回はちょっと規模が小さめですが、それなりに人は来ております。名古屋に家がある者としては、自宅から通えるのでちょうどよかったです。嫁さんも娘も平日にいつもいない人間がいるとペースが狂うようですが、今週はずっと名古屋ということでこちらとしてはいつもの単身生活ではないのでうれしいです。
 通常ならば学会中の夜は、いろいろな人とアポをとって飲みに行くのですが、自宅からということもあり今回はおとなしくしております。それに昨日は朝から体の調子もよくなかったので遠慮しました。本来なら地元名古屋ということで、外から来た人に名古屋のうまい店でも連れていかなくてはいけなかったのですが。
 学会自体は自分の専門分野に関連する発表は少ないですが、逆にいつもは聞かないような分野で新しい情報を仕入れることができるので良かったです。また、今日の基調講演では、今年の最も重要な発見といってもいい、体細胞から4因子を制御するだけでES細胞様の細胞を樹立することに成功した京大の山中先生の非常に分かりやすい話もきけました。更になぜかトヨタ自動車の取締役の方のトヨタの取り組みとバイオテクノロジーへの期待に関する話もありました。
 明日もう一日ありますので朝から気合入れて勉強します。朝から通勤電車に揺られて自宅から会場に行くというのも、いつも車での通勤の身としてはちょっと新鮮です。

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2006年11月17日 (金)

研究会参加、古巣への訪問

 昨日、今日と、岡崎の生理研で「カルシウムシグナルの新潮流2」という研究会がありました。2年前に第一回目がありその時は発表者で、今回は座長をさせていただきました。この会は60人くらいの少人数でやるので、非常にアットホームで、また演題一つに対しても質問時間も長くするため多くの議論ができるので、とてもいい研究会です。知っている人も多く、自分の近況や様々な人の様子も知ることができるという点でも面白いです。
 私と同じように4月から所属が変わった先生が多かったです。KG大学だったW先生は、東京のSY大学の教授になられ、いきなり親も含め家族みんなで移ったとのこと。そこで骨をうづめるという気合が感じられました。またKM大学のY先生は沖縄のR大学の教授になられていました。私と同じ単身赴任ということで、思わず気があったりしました。今度は沖縄に遊びに行きますと約束しておきました(沖縄にまだ行った事がない者としては、これで知り合いがいるので行きやすくなります)。
R研のときに一緒だったHさんは10月に結婚されたということで、とてもうれしく思いました。夜は一緒のホテルだったので、懇親会が終わった後、2人で駅前の居酒屋に行き、お祝いをしました。
 今日は、終わってから、F大学のときに同僚だったH先生の車に乗せてもらい、そのラボの人たちと途中イタ飯屋で遅いランチを食べてから古巣のF大に行きました。そこでは、事務のMさんと昔と同じよな面白トークをし、その旦那さんのM先生のラボに行き、所長のM教授に挨拶し、そこからそれぞれの研究室に挨拶回りしておりました。久しぶりに多くの先生方と会い、四方山話に花を咲かせておりました。なつかしいです。
 今回は、いろいろと研究会でも勉強になったし、刺激も受けたので、いい仕事していこうとあらためて思いました。やはり研究者は、仕事して、いい結果出して、みんなの前でしゃべって、議論してもらうというのが、自分を高めていくのだと。こういう会に参加するといつも思うのですが・・・。言うは易しです。

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